富岡順一
文化事業部
©OFFICE MAYUZUMI MADOKA
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黛まどか氏プロフィール
俳人。神奈川県生まれ。1994年『B面の夏』50句で第40回角川俳句賞奨励賞を受賞。1999年北スペイン・サンチャゴ巡礼道900kmを徒歩で踏破したのに続き、2001年8月-2002年10月韓国釜山からソウルを徒歩で踏破。2002年5月、句集『京都の恋』にて第2回山本健吉文学賞受賞。
主な句集に『B面の夏』、『花ごろも』『くちづけ』。主な著書として『ら・ら・ら「奥の細道」』、『星の旅人』、『サランヘヨ』、『心に残る手紙の書きかた』、『知っておきたい「この一句」』。最新刊『17音の交響曲』(東京書籍)。
黛まどか公式サイト
文化事業部(人物交流・文化協力、市民青少年交流)の主な事業の一つとして、「日本文化に対する理解と共感を深めてもらうことを目的」に日本文化・芸術の専門家を海外に派遣し、講演会、デモンストレーション、ワークショップ等を実施するという「日本紹介のための文化人派遣」事業があります。
今号では、この「日本紹介のための文化人派遣」についてお話します。
2006年4月4日、5日に行なわれたバーレーンの「詩の家」の開館式で各国(日本、英国、フランス、ブルガリア、イラン、レバノン、チュニジア、バーレーン)の詩人による詩の朗読会が開催されました。日本からは、「日本紹介のための文化人派遣」として、俳人の黛まどかさんに参加いただきました。
「詩の家」および「シェイク・イブラヒム文化研究センター」での朗読会で、黛まどかさんは、バーレーンの王族や文化人、一般市民の方々、また各国の外交官等の聴衆に「俳句」を朗読し、情景をイメージさせる映像とともに心をこめた柔らかい静かな口調の朗読が大きな感銘を与えました。
朗読会で披露された『京都の恋』
京扇子はるかな風を呼びにけり
Photo: KATSUTOSHI OKADA
今回の朗読会で黛まどかさんが直接に語りかけた人は200人、300人という数ですが、バーレーンあるいはアラブ諸国の中で影響力を持った人であり、そのような人たちに俳句を愛でる日本人の心や意識、日本人の持つ美意識を理解してもらうことがその後の日本理解の広がりにつながっていきます。
このように「日本紹介のための文化人派遣」は、専門分野の文化・芸術の紹介を通して、日本人の意識や日本文化、日本という国に対する理解を深めてもらうための活動であり事業です。